ちえママのミニマル的シニアライフ

60代の暮らし・老後・年金・お金やらゆる~く語ってますます。

真っ暗な夜 母が感じた孤独とは


夜中の2時、私はいつものように眠りについていました。

そんな時、突然鳴り響く電話。

母からの電話でした。

「真っ暗や…誰もおらん…」と震える声で訴える母。

 

私はすぐに時計を見ました。

午前2時。

「お母ちゃん、今は夜中やで、病院やから、看護師さんもおるよ」と優しく答えました。

母の声は不安でいっぱいでした。

「ここどこなん。周りに誰もおらんし、電気もついてへん…」

 

4年前、1人暮らしの母は自宅で倒れました。

近くに越していた私が倒れている母を見つけ救急車を呼びました。

倒れる前日まで一緒に夕飯を食べていたのに・・・

89歳の母、やはり高齢になると一寸先も闇ですね。

 

それから病院での3ヶ月間の入院生活。

現在、その当時の記憶は、母にはもう残っていません。

入院中、母の認知機能は大きく衰え、介護度4の判定を受けました。

夜中、母は自分のいる場所がわからなくなることが頻繁にありました。

 

その夜も、カ-テンで仕切られた病室で母は一人、孤独と恐怖に包まれていたのでしょう。

窓の外は真っ暗で、病院の静けさがより一層、彼女の不安を募らせたのかもしれません。

 

「誰もいない…」

「暗くて怖い…」

母は何度も私に訴えかけてきました。

 

私は電話を握りしめながら、離れた場所にいる母の気持ちを思うと、

胸が締めつけられる思いでした。

安心させるために、私はこう言いました。

「お母ちゃん、私がいるよ。大丈夫やから。」

しかし、電話越しの母は、まだ不安そうにしていました。

 

認知症が進行している母の頭の中は、

私が想像もできないほど混乱しているのかもしれません。

 

自分がどこにいるのか、何をしているのかが全くわからない。

その中で、一人きりだと思い込む恐怖。

 

あの夜、母が感じた孤独は、私には想像もつかないほど深いものだったと思います。

私はその孤独を少しでも和らげるために、何度も何度も言い続けました。

「お母ちゃん、私はここにいるよ。決して一人じゃないよ。」

今は当時よりも認知機能は回復し、特養での話し相手も出来たようです。

しかし、ここまでの道のりも山あり谷あり( ;∀;)

 

皆様の体験もまた教えてくださいね。